FT-IRと波数範囲

   
  FT-IRは、Fourier Transform Infrared Spectroscopy の略で、時間軸で捕らえた赤外吸収のデータをフーリエ変換して波数軸に置き換え表示する装置です。
  FT-IRを選択される場合には、まずご覧になりたい情報(化合物の官能基の吸収波数)がどの範囲にあるかをきちんとご確認されることが重要です。
   
  ほとんどの化合物のFT-IRによる吸収波数範囲は分かっており、例えばアミンのN-H は伸縮が3,500〜3,300cm-1、面内変角(はさみ、横揺れ)1,650〜1,590cm-1、面外変角 (捩り、横揺れ)900〜650cm-1等となっておりますので、これらの全ての情報をご覧になりたい場合は、3,500〜650cm-1の波数範囲が測定できるFT-IRを選択していただく必要があります。
  中赤外用 FT-IR と呼ばれている装置は、大体 7,800〜600cm-1の範囲をカバーしているものが多いようです。特に 1,300〜650 cm-1 の領域(指紋領域と一般に言われます)には細かい吸収が多数みられ、そのパターンは物質に固有のものが多く含まれています。
FT-IRのデータベースはこの領域を参照するものが多く作られています。
   
   
  FT-IRの光源
  FT-IRのビームスプリッタ
  FT-IRの検出器
   

FT-IRの光源
 
  FT-IRの光源としては、高輝度セラミック光源が用いられます。波数範囲は7,800〜240cm-1の領域 で使われます。光源については安定して光り続ける為や長く持つ為の工夫を各社がいろいろと行なっていますが、基本的に波数範囲は7,800〜240cm-1となります。
 
 

FT-IRのビームスプリッタ
 
  FT-IRに使われるビームスプリッタは干渉計から来るIR光を反射光と透過光に分けるものです(ハーフミラー)。
  ビームスプリッタで分けられた光の一方は固定鏡で反射され、もう一方は移動鏡で反射され、これらは再びビームスプリッタによって合成されて検出器に入ります。
 
ビームスプリッタで分けられるIR光の流れ
 
  FT-IRでビームスプリッタからそれぞれの鏡までの距離が等しい場合は光の干渉が生じない為、強度は最大になります。FT-IR上で移動鏡が動いて距離に差が出た場合は二つの光路の間で干渉が生まれ強度変化が起きます。この波形をFT-IRではインターフェログラムと呼びます。
 
 

FT-IRの検出器
 
  FT-IRの検出器には、主にTGS検出器とMCT検出器が用いられます。FT-IRに使われるTGS(DTGS)検出器は焦電型とも言われ常温で動作します。FT-IRで用いられる場合は明るい光を広いダイナミックレンジで測定します(7,800〜350 cm-1)。また直線性が良い為、定量をする場合にはTGS検出器が有効です。
  一方、FT-IRで用いられるMCT検出器は半導体型とも呼ばれ、暗い光でも高感度に測定をします(5,000〜650cm-1)。 MCT検出器は使用する際に液体窒素が必要です。また、直線性に欠ける為、定量よりも定性に向いています。
   
  FT-IRの波数レンジは、光源、ビームスプリッタ、検出器の組み合わせで決まります。
 
FT-IRの波数レンジ
 
 





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