モータHILS フォード自動車の事例

フォード社のFusionは2010年デトロイトで行われた北米自動車ショーでカーオブザイヤーを受賞したハイブリッドカーです。

Fusionはフォード社にとって技術 ビジネス両面で成功事例です。
フォード社はFusionのようなハイブリッド車についてはHardware-in-the-Loop (HIL)を使って開発を進める方針です。 HIL手法はエンジン、トランスミッション、ボディ、車体などの制御や安全システムの評価に非常に有効です。

ハイブリッドの伝達システムの設計や制御はFord Fusion Hybridのような次世代のハイブリッド車にとって重要な課題です。

モータ制御技術はある程度成熟した技術ですが それらの自動車分野への応用は最近始まったばかりです。
さらにモータドライブのシミュレーションはフォード社のエンジニアにとって多くの課題がありました。
フォードの顧客の信頼の期待に応えるため 安全で信頼できるハイブリッド駆動システムの設計を常に考えなければなりません。

課題
最近の自動車の設計構造は 複雑なパワーエレクトロニクスや、同時にテストや統合して動作させなければならない電気や機械システムが複雑に絡み合っています。

新しい技術がどんどん導入されるにも関わらず 高い信頼性や安全性を維持しながらも少ない予算や 短い開発期間でそれらを実現する必要に迫られています。
フォード自動車のFusionハイブリッドの場合も、ほとんどのハイブリッド車と同じように PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motors)が使われています。
PMSM駆動では通常PMSMモータと3相のIGBTインバータで構成されています。
ハイブリッド自動車のアプリケーションではインバータは2-20KHzのPWM周波数と 2-20μsecのデッドタイムを持つHILシステムにつながったコントローラで駆動されます。
これらの仕様はフォード自動車により ある重要な要素の実現に有効と思われる制御方式の開発のための重要なシミュレーション課題として示されます。

このようなPMSM駆動方式のシミュレーションはいくつかの理由から非常に困難なものです。
PWM信号は通常高い周波数で駆動します。
さらに デッドタイムや シミュレータの制御周期よりも短いインターバルで起きる連続的なスイッチングイベントなどが問題になります。
モータ駆動は時には電機制御システムの周期よりもはるかに速い振幅になる為、非常に速い制御周期がシミュレータに要求されます。


OPALのソリューション
教科書的な手法ではμsecのイベントに対するシミュレーションを行うためにはさらに速いステップサイズ(0.μsec)のレンジを使用しますが、この方法はCPUベースのシミュレーション処方ではあまり現実的なものではありません。
その代わりに“Time-Step Averaging Method’ (TSAM)という方法が使われます。
この方法ではインバータの導通時間はIOにおける高分解能のゲート信号でダイレクトに計算されます。

このようなシミュレーション課題に対応し、有効な制御戦略を実現するため、OPAL-RTはフォード自動車にeDRIVEsimリアルタイムシミュレータを提案しました。


eDRIVEsimは OPAL−RTのRT-LABリアルタイムシミュレーションソフトウエアをプラットフォームとしたHILシミュレータです。
シミュレータはマルチコアプロセッサーとFPGAベースIOで構成されています。
高精度のプログラミング可能なFPGAベースのIOは10nsec分解能256CHのタイムスタンプ デジタルIOや1μsecの変換時間 128CH 16bitのアナログコンバータを持っています。
FPGAは組み込み対応のPMSMモータ駆動シミュレーションも可能です。

フォード自動車で使用されているRT-LABシミュレーターのリアルタイムカーネルはQNX、もしくはRedHatLinuxがリアルタイムOSとして使われています。
これらの最適化されたリアルタイムOSはIOを含めて7μsec以下でのシミュレーションを可能にします。
このシミュレータにはSimulinkライブラリーとしてインバータとPMSMモデルを含むRTeDRIVEが含まれます。
MathWorksのReal-Time Workshopがコード生成として使われます。
また Xilinx System Generatorが eDRIVEsimFPGAボード(Spartan-3 or Virtex-5)によるハイレベルのモデルを使用する場合に使われます。

OPAL-RTはインバータ電流が0の場合の“ハイ・インピーダンス”モードをサポートする特別なモデルを提供しました。
このモデルはフォルトや整流モードのシミュレーション時に非常に重要です。

実機としてのコントローラはリアルタイムシミュレータに接続され、あたかも実際のドライブラインにつながっているかのようにしてテストされます。
最適なシミュレーション速度を確保する為 eDRIVEsimターゲット上の4CPUコアに分割され演算されます。
2つのモータドライブは2つのCPUに、ブースターコンバータ回路とパワーエレクトロニクスIOは3番目のCPUに、残る4番目のCPUは汎用のIOとセンサーに割り当てられます。

コントロール方法や基本的な保護回路の検証のため 様々なテストがフォード自動車で行われています。

テスト1.Phase over-current detection.
このテストはもし電流リミットに異常が生じた時 モータがシャットダウンするかどうかを検証する目的で行われます。


テスト2.スピードが増した場合のブースターの挙動を調べるものです
このテストでは当初トルク無しで1000RPMで回し、次に7000RPMまで回転数を増やします。


テスト3.トルクを変えた場合のVVCブーストを見ます
このテストでは モーターは最初トルク無しで1000RPMで回り 次にトルクを75Nmに変化させます。




まとめ
テストコンディションや車両挙動やモータや駆動回路をシミュレーションする為にHILを使うと開発コストや時間を短縮することが出来、より高い製品品質を得ることが出来ます。

eDRIVEsimリアルタイムシミュレータを使うことでHILベースのテストを効率的に行うことが可能です。
モータドライブの狭いパルス幅をシミュレーションするには非常に速い制御周期を必要とします。
さらにOPALが提供するインバータモデルはインバータ電流が0の場合の“ハイ・インピーダンス”モードをサポートしています。
これらのモデルはOPAL独自のスイッチング機能をベースにしていますが さらに オープンフェーズやnatural rectificationモードをもサポートしています。

ハイパフォーマンスのリアルタイムプラットフォームを使用することで、これらのモデルはフォード自動車がFusionハイブリッドモータドライブコントローラに対して非常にたくさんのHILテストを行うことに成功しています。

フォード自動車がより良い車を作る為にどのような協力を行ったかを知っていただくには下記をクリックし 2010VPPCカンファレンスで発表されました論文をご覧ください。

click here to read the technical paper authored by Opal-RT and Ford



お問い合わせ先
株式会社 NEAT
愛知県名古屋市千種区池下1-11-21
TEL:052-764-3311FAX:052-764-3632

Opal-RT Technologies,Inc.
1751 Richardson, Suite 2525 Montreal, Quebec, Canada, H3K 1G6
TEL:+1-514-935-2323FAX:+1-514-935-4994

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