MMCとeMEGAsimリアルタイムシミュレータ
Modular Multi-Level Converter

パワーエレクトロニクスHILS

Modular Multi-Level Converter(以下、MMC)は、HVDC送電システムやFACTS、再生可能エネルギーなど、 中規模から大規模電力アプリケーションの分野での需要が急激に増えております。

MMCは数十から数百にものぼる同じ様なサブシステムから構成されております。

代表的なMMCコントローラは、通常Pole制御とValve制御という、ふたつの部分から構成されています。

Pole制御は従来からあるVSC(voltage source converter)の制御系と同じようにパルス幅変調に正弦波を使用し、有効・無効電力 DC電圧をコントロールします。

Valve制御はサブシステムのキャパシタ電圧をコントロールします。

MMC ValveコントローラはMMCのパワエレスイッチに対し、レファレンスと実際に発生しているキャリア信号を比較し、サブモジュールの間のキャパシタのバランスを取るように働きます。

Valveコントローラ は全てのサブシステムのキャパシタ電圧の測定値を捉え多くの 入力とゲート信号をパワエレスイッチへ送る為、より多くの出力が必要になります。
MMCの典型的な構成とコントローラを下記に示します。

図1.MMCとコントローラの構成

MMCの独特のトポロジーは、高調波を小さく抑えることができる等、新しい多くの機能を提供します。

同時に高度なコントローラには、製造工程に置いて開発やテストで様々なプラットフォームが要求されます。
実際のMMCコントローラに接続されたリアルタイムシミュレータは、ローコストでフレキシブルに富んだ最適なアプローチであると考えられています。

しかし、MMCコントローラへ要求される膨大なIOの数、リアルタイムシミュレータにとっては常に問題となる速いタイムステップと通信遅れの問題など、一方でスイッチングデバイスに対するコントローラ信号の充分な精度を、どのように担保するかが常に大きな課題となっておりました。

これらの要求を満足する為、OPAL-RTはMMCシステムのリアルタイムシミュレーションの新しい課題に取り組む、斬新なテクノロジーを開発しました。
このユニークな解決方法は、エンジニアが複雑なMMCシステムを設計したりテストしたりすることを1台の万能なプラットフォーム上で行うことが出来ます。
そして、このプラットフォームはMMCのすべてのコンポーネントのみならず、MMCが接続される複雑な電力網もシミュレートすることが可能です。

図2.MMCシステム及びコントローラの開発・試験に最も適した精度・拡張性を持つシミュレータ

eMEGAsim MMC Simulatorの技術的なハイライト

eMEGAsimはMMCコントローラの設計やテストを含む、すべての工程において最適なシミュレータです。

MMCプロジェクトにHILSを使うことを含め、リアルタイムシミュレータにおいて15年以上の経験からOPAL−RTはMMCやコントローラの設計やテストに高いパフォーマンスとフレキシビリティ、卓越した精度を持つ万能なプラットフォームを提供します。

eMEGAsimはすべてのスイッチや、セルのキャパシタ、抵抗を含む詳細なモデルを動作させることが出来ます。

MMCのセル回路はハーフブリッジ、フルブリッジのどちらにも対応します。
IGBTのファイアリング信号は10nsec以下の分解能で生成したり捉えたりといった事も出来、デッドタイム現象がシミュレーション可能です。

さらにeMEGAsimはScopeViewと呼ばれる機能を使い、高精度でのデータ収録や信号発生ツールとしても使用できます。

他のアプリケーション(EMTP-RV, MATLAB, COMTRADE等)でデータをロードしたり、確認したり、比較したりといったレポートも作成可能です。


eMEGAsimはMMCコントローラの下記の検証に使えます。
有効・無効電力コントロール PCC(Point of Common Coupling) 及びDCLink電圧調整
周波数固定コントロール ARM電流バランス
ゼロ相電流除去 それぞれのセル電圧バランス


eMEGAsimは様々な過渡現象のもとでMMCと保護機能の連続テストが可能です。          
ACラインの短絡故障 ACラインのロス
DCラインとグランドの短絡故障 DCライン同士の短絡故障
IGBTのミスファイアリング キャパシタ電圧センサーの機能不全



図3.MMCでDCライン短絡故障のダイナミックレスポンスのシミュレーション事例

高速オフラインシミュレーション

モデルベース設計において最初に行うのがオフラインシミュレーションです。
しかし、MMCシステム用に従来からある過渡現象解析ソフトを使う場合、計算に多くの時間がかかる課題があります。

eMEGAsim はそのユニークなソルバと最新の市販WindowsRPC上の並列計算によって、MMCシステムのシミュレーションを他のオフラインシミュレーションソフトより数千倍速く行うことが出来ます。

リアルタイムシミュレーションの場合、基本的な制約としてモデルが固定ステップでなければなりません。

パワーエレクトロニクスのような複雑な回路の場合、伝統的な手法は周波数が高いコンポーネントについては次のステップが必ずしも一定ではないため、可変ステップを使うのが一般的でした。
このような場合、固定ステップを使用すると計算結果にエラーを生じます。

OPAL-RTのソルバARTEMiSは、SimPowerSystemsのパフォーマンスを最大限に発揮する、優れた演算テクニックと固定ステップソルバを持っており、 パワーシステムモデルのリアルタイムシミュレーション開発を容易にしす。

高速アクセラレータによるオフラインシミュレーションのライセンスは、リアルタイムシミュレーション ライセンスに簡単にアップグレードでき、そのままHILS(hardware-in-the-loop)や、RCP(rapid control prototyping) アプリケーションとして使用できます。


テストケース:DC to 60 Hz 6-pulse MOSFET converter, PWM control with 1080 Hz carrier, 1 kW , 500 VAR load

MMC PoleコントローラのHILSテスト

eMEGAsimの登場により、バルブ(Valve)制御を伴ったHILS環境でMMC Poleコントローラのテストが可能になりました。
  リアルタイムシミュレータ内にMMCモデルとValve コントローラを構築し、実際のPoleコントローラと接続します。
(Valve コントローラはSimulinkで開発したユーザー独自のモデルやOPAL-RTから供給されるValveコントローラモデルのどちらも可能)

Poleコントローラは、リアルタイムシミュレータ内のMMCモデルからアナログ信号を受け、シミュレータ内のValveコントローラに指令信号を出力します。

このようにして、MMC Poleコントローラの制御や保護のアルゴリズムを定常状態及び過渡状態の両方でテストすることが可能です。
この手法はMMCの製品化において、Poleコントローラの設計だけをされる場合や、まだ実機のコントローラが用意されていない場合に非常に有効です。

eMEGAsim はValveコントローラのIOが増大した場合は容易に拡張することが可能です。


図4.MMCpoleコントローラテストのシステム構成

MMCコントローラ全体のテスト

eMEGAsim はIOマネジメントにXILINX VIRTEX-VI FPGA を使用し、MMCを250nsecの高速でシミュレーション計算することができます。

高速サンプリングと遅延がなく速いタイムステップで動作が可能で、MMCのPoleコントローラと、Valveコントローラのどちらの試験にも対応可能です。

eMEGAsim は、実際のMMCコントローラが使用するすべてのIOをサポートしています。
シミュレータとテストする装置のインターフェースとして、数千にものぼるアナログ・デジタル信号チャンネルによる方法も、 大量の光ファイバーを使ったカスタマイズされたプロトコルによる方法も、どちらにも対応できます。

ユーザーは、FPGA用のGUIを使いプロトコルを変更することが可能です。

eMEGAsim は、その信頼性の高さでMMCコントロールユニットを市場に出荷する前に性能を確認し、実験室でフィールドテストに近いレポートを作成することが可能です。

eMEGAsim は使いやすいモデリング環境や、イベント現象をタイムステップ内にきちんと取り込めるユニークなソルバ機能だけでなく、ダイナミックな信号取り込みや、可変テーブルの使用により、リアルタイムシミュレーションの実行中にモデルパラメータを変更する機能を持っています。

eMEGAsim は、コントローラロジックの任意の場所の変数をモニターできるので、パラメータを効率的にチューニングでき、MMCコントローラの開発を加速させることが可能です。


図5.MMCコントローラのフルテストの構成

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