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日本の自動車産業とOPAL-RTとの歩み

OPAL-RTの自動車産業への取り組み

OPAL-RTが設立されたのは1997年です。
OPAL-RTは当時電力用の限られた応用しかなかったリアルタイムシミュレータ技術を、宇宙や自動車産業など多くの先端産業に対する基幹技術としても捉えていました。
 
その取り組みのひとつとして、当時大変な話題になった日本で最初のハイブリッド自動車で使用しているモータ・インバータの制御装置のアルゴリズム検証用HILシステムが実現したのもOPAL-RTでした。

OPAL-RTのリアルタイムシミュレータは実機の制御装置からの信号を受け、あたかも実際にモータ・インバータと繋がっているかのように、その電流信号などを制御装置に返すことができるという画期的なもので、これが国内におけるモータ・インバータをシミュレートするHILシステムの実質的な第一号となりました。

こうしてOPAL-RTのHILシステムは制御装置の製造ラインでの試験用にわずか数年間で国内だけでも数十台が導入されるまでに至りました。
 
 



画像は2000年にハイブリッド車用として使用されたHILBOXです。 NEATは2000年当時から現在に至るまでOPAL-RTの国内代理店を務めております。


OPAL-RTは、カナダの電力会社Hydro-Quebecの出身者が設立し、電力システムだけでなくパワーエレクトロニクス全般向けのHILシステムの構築を目指すと同時に、その当初から電機システムに注力した製品作りにも注視していました。

この時期はまだ自動車分野におけるMBD開発の黎明期であり、また、Intel等のプロセッサを使った汎用システムを用いたコンピュータ/PCの急激な高速化に伴い、多くの自動車関連の会社が次第にPCベースのHILシステムに注目するようになっていました。

自動車分野については、エンジンについては当時すでに優れたHILシステムが開発されていましたが、電気系については需要がまだそれほど多くありませんでした。
その中で、ハイブリット自動車のモータ・インバータ関連のHILシステムとしてOPAL-RTのシステムが選ばれ、Tier1を含めた開発に大きく貢献しました。

OPAL-RTのHILSは電力関連を起源に持つシステムであり、以下に示すように、パワーエレクトロニクス用HILとして他にはない仕組みを数多く持っていました。


RT-EVENTS

タイムステップ間で起きたイベントを捉え、CPU演算ながら10nsecの分解能でイベント情報をSimulinkモデルの中で取り扱うことが出来る仕組みです。

今では多くのHILベンダーが導入している仕組みですが、2000年当時ではOPAL-RTのみが実際運用をしていました。
FPGA上でモデルを扱うことが出来なかった時代に初期のハイブリッド車の制御アルゴリズムのデバックに大きく貢献しました。


マルチレートシミュレーション

異なった演算周期のモデルをあるモデルの中で並列処理できる仕組みです。

まだCPUの中で複数のコアが存在しなかった時代に、複雑な機械系と高速な電気系のモデルを同時に走らせる仕組みはCPUの効率を最大限に活用し、かつ電気系と機械系の演算が1モデル中に共存する事が出来るようになるので非常に有効でした。

現在ではマルチコアのCPUも一般化していますが、CPUと言えばシングルコアだった当時、この技術は非常に画期的なものでした。
そして、それは現代においてもリアルタイムシミュレーションを支える数多くの技術の中の一つとして使われていますが、これを開発したのがOPAL-RTです。


インバータの故障(短絡・断線)モード

シミュレーション中にIGBTの各素子、三相間、バッテリ部分等任意のタイミングで故障を発生させることが出来るようになったのもOPAL-RTのHILシステムが最初でした。

故障の発生モードに関しては、長い間、他の追従を許さず、インバータ・モータの詳細なふるまいを確認できる数少ないHILシステムとして活躍しました。



eHS | 高速回路シミュレーション

FPGAにインバータ回路を実装する際に、市販の回路エディタで作成した回路をそのままFPGAに実装できる様にした画期的な機能です。

従来、FPGAにモデルを実装する為には特殊なツールを使用したりVHDLコードを直接書き込む必要がありましたが、これらは高度な知識が必要で誰でも簡単に出来るものではありませんでした。
OPAL-RTは回路エディタで図を描くだけでインバータモデルをFPGAに実装できる機能を実現しました。これがeHSです。



上記をはじめとする、これらの仕組みはいずれも電力・パワーエレクトロニクス分野に基盤を持つOPAT-RTだからこそ世界に先駆けて出来た仕組みです。
このような仕組みが市場に普及するまでには長い年月がかかりましたが、その先頭を走っていたのがOPAL-RTでした。

OPAL-RTの強みは パワーエレクトロニクスの知見をリアルタイムシミュレータに生かしたところにありました。

今日、本格的なEVの時代を見据え、OPAL-RTの新しい挑戦が始まろうとしています。
EVの開発・評価において必要な技術が何かについて、様々な部門が検討を始めています。

OPAL-RTは培ってきた電力・パワーエレクトロニクス関連技術を基に、これからも先進的な仕組みを市場に出していきます。


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