パワーコンディショナ

太陽光発電へのHILS応用事例

2014/5/19

太陽光発電システムの全体構成

太陽光発電システムは大きく分けて、太陽エネルギーを電気信号(直流)に変える電池アレイ(セルの集合)と、直流を交流に変換するパワーコンデショナから構成されています。

現在、系統への接続は、様々な理由から地域において一定の割合に制限されています。
しかし、将来街全体がメガソーラーのような形で、配電網に接続されることになる場合、系統との関係をどのように考えていくかが 大きな問題となります。

パワーコンディショナ

太陽光発電システムにおけるリアルタイムシミュレータの役割は、主にパワーコンディショナの様々な機能を検証することになります。

太陽電池モデルは電池モデルとして用意はされてはいますが、リアルタイムシミュレーションにおいては通常電源と置き換えることが多いようです。
天候による発電効率などは、通常分以上の時間間隔で検討されますので直接的なシミュレーションの対象にはならない為です。

リアルタイムシミュレータは、発電された電気信号が直流から交流に変えられ、さらに系統につながっていく過程での、μsecレベルの速い現象をシミュレーションの対象にしています。

パワーコンディショナの課題1

直流/交流変換
パワーコンディショナは、チョッパと呼ばれるDC/DC変換部と、インバータと呼ばれるDC/AC変換部で構成されます。

これらを駆動する為に、PWM信号(キャリア周波数と呼ばれ20KHz程度までが多い)が使われます。
キャリア周波数20KHzの場合 IGBTの駆動信号は数十nsecで管理される必要があり、非常に高速な処理が求められます。

パワーコンディショナの課題2

最大出力点追尾
太陽電池出力が最大になるように、追従制御、 MPPT制御(Matrix Power Point Tracking)が一 般的に行われます。

MPPT制御方式には、様々な方式が提案されていますが、ある気象条件下で、太陽電池から最大の電力を取り出すことができるというメリットがあります。
気象条件の変化に対する最適な条件を見つけ出すアルゴリズム開発には、RPC(Rapid Control Prototyping)が用いられます。

直流/交流の変換効率については、いずれの方式もかなりの変換効率を上げています。
小形・軽 量・低コストに加え 安全性への要求も近年非常に高まっており競争は激しくなっています。

そのほか、単に効率だけではなく、系統電力へ悪影響を及ぼさないように、高調波電流を抑え、逆潮流時に、電圧が下がったり、周波数上昇や低下が発生したりしないように、自動的に調整する機能等の検証に、リアルタイムシミュレータは非常に有効です。

パワーコンディショナの課題3

今後のパワーコンディショナに要求される性能として、系統との連携機能が非常に重要になって来ています。
特に太陽光発電の大量導入の時代になると、系統とつながった場合の様々な挙動をシミュレーションで確認する必要があります。

リアルタイムシミュレータは下記のような項目について非常に有効なツールとなります。

単独運転停止
系統で事故が起きた場合運転を続けることなく、太陽光発電システムを自動的に停止

電圧変動抑制
天候により出力が大きく変動ことで 系統側の電圧や周波数が大きく変動する。
また、電力を逆潮流すると 系統の電圧が既定の範囲を超えて上昇する。
そのような場合、一般的には系統の電圧を適正に保つように無効電力を制御する必要がある。

異常時の解列 停止
太陽光システムの系統側やPCSの異常を検出し、PCSを自動停止させる。 
同時に系統との連携を速やかに遮断し、系統の安全を確保する必要がある。

高調波の影響
PCSの出力は正弦波を維持する為、PWM制御を行うことが多い。 しかし、キャリア周波数成分が高次の高調波として流出することで、電力系統に影響を与えることが無いようにする必要がある。


参考資料

NEDO参考資料(NEDO再生可能エネルギー技術白書の概要 技術ロードマップより)

1)出力変動による電力系統への影響
電力系統の電圧変動の原因としては、有効電力および無効電力が需要側と供給側で不均衡となる、特に無効電力の制御が大きな問題。
太陽光発電システムでは、雲の流れなどによって日射条件が変化することにより、発電電力(=有効電力、一般的にPCSは力率1.0で運転しているため)は常に変化している。
このため、太陽光発電システムの連系点において、大きな電圧変動が発生する


2)瞬時電圧低下時の一斉脱落による影響
太陽光発電システムのPCSは、連系系統に故障が生じ瞬時電圧低下(以下、瞬低という)が発生すると、一般的には20%程度の系統電圧低下でゲートブロックすることにより、PCSの動作を停止するよう設計されている。
これは、瞬低が発生することにより、PCS内部で電流制御系の遅れや電圧位相検出の不正動作のため過電流が生じる恐れがあるためである。
家庭用の太陽光発電システムのようにシステム容量が小さい場合は、現状程度の導入量ではPCSの動作停止によって電力系統へ与える影響は小さいため、上述のような動作仕様で特に問題にはならない。
しかし、大規模太陽光発電システムが電力系統に連系されるようになると、PCSのゲートブロックによる動作停止が電力系統に与える影響も大きくなる。


3)流出高調波による影響
通常、PCS の出力は綺麗なサインカーブの電圧維持を目標にPWM制御を行うため、 系統に存在する高調波成分を打ち消すような高調波電流が流れる特性がある。
そのため、低次の高調波に対する対策は基本的に必要ない。
しかし、大容量の PWM 制御機器を使用する場合、PWM 制御のキャリア周波数成分が高次の高調波(50〜200 次程度)として流出するため、電力系統に影響を与えないことを確認すると共に、必要に応じてフィルター等の対策が必要である



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