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傾斜切削面のIRイメージング装置による分析例
卓上傾斜切削機 事例

分析用前処理装置

IRイメージング装置による分析例


イメージング(ケミカルイメージ)
(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
傾斜切削面のうち、青色の四角で囲んだA,B,Cの各部分について、パーキンエルマー社製のIRイメージング装置Spectrum SpotlightTM 400を使って、ケミカルイメージング情報を取り込みました。

ATRイメージングアクセサリーを使い、波数領域は4,000~680cm-1分解能 4cm-1、スキャン回数は1回で、ピクセルサイズは1.25μmです。

パーキンエルマーのSpectrum SpotlightTM 400はこのようにイメージングしたい領域を複数任意に指定できるマルチエリアイメージング測定が可能です。
実際に取り込んだデータに対し、1,730cm-1のエステル、2,915cm-1のCH2結合に着目しそれらの波数についてのケミカルイメージを取ってみました。
それぞれの領域について各層の状態が色によって分けられているのが良くわかります。


スペクトルAの領域


(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
Aのエリアの1,730cm-1付近のケミカルイメージから、図中各点(No.17-No.21)のスペクトルをとっていくと表面層から順番にMMA、ウレタン系、塩・酢ビ系、PP、PP+MMAの層構造をなしていることがわかりました。


スペクトルBの領域


(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
Bのエリアについても同じように1,730cm-1付近のケミカルイメージから図中各点(No.23-No.28)のスペクトルをとっていくと表面層から順番にPP、PP+MMA、ウレタン系樹脂+PP、ウレタン系樹脂、炭カル+カオリン+ウレタン系樹脂、炭カル+カオリンという構造になっていることがわかります。

この場合、No.23、No.24は、エリアAの測定のNo.18、No.17と同じ領域を取っています。


スペクトルCの領域


(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
最後にエリアCについても1730cm-1付近のケミカルイメージから図中各点(No29-No.32)のスペクトルをとっていくと、同じように表面層から順番に、炭カル+カオリン+ウレタン系樹脂、炭カル+カオリン、セルロース、MMAという順番に層が構成されていることがわかりました。

この場合、No.29、No.30はNo.27、No.28と同じ層の情報を取っています。

このように層構造をなしているサンプルに対して傾斜切削機を使って斜め方向に切削することによって、それぞれの層の面を数十倍に拡大することが可能となりました。
また、これにより深さ方向の情報を表面情報として取り出し、最新のIRイメージング装置とATRイメージングアクセサリーを使用して分析することで、印画紙の層構造や構成成分を簡単に確認することができました。


層構造の中の粒子の分析

もう少し詳しく見てみましょう。


IRイメージング装置を使うと、層構造の中に埋もれている微小な粒子を個人差が無く簡単に分析が可能
(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
エリアAのPP、MMAには、細かな粒子が多数散らばっているのが確認されます。

画像を拡大して粒子を確認すると大きさは15μm程度とわかりました。
従来このような状態の粒子だけを取り出して分析することは特別な技術を要することでした。
図中No.9(青色のスペクトル)はベース部分、No.10(黒色のスペクトル)は15μm程度の粒子のそれぞれのIRスペクトルです。
IRイメージング装置を使うと、層構造の中に埋もれている微小な粒子を個人差が無く簡単に分析することが可能です。


わかりにくい層構造の分析


IRイメージング装置を使うと、層構造の中に埋もれている微小な粒子を個人差が無く簡単に分析が可能
(株)パーキンエルマージャパン大阪ラボ提供の資料より
左側の図の四角で囲んだ部分をもう少し詳しく見てみることにします。

少し位置を変えたスペクトルを取ってみますと、右の図のように1,540cm-1付近で明らかな構造の違いがあることがわかりました。(No.41の黒色のスペクトルと No.42の青色のスペクトル)
1,540cm-1付近に着目し、エリアAについてケミカルイメージを取ってみました。今まで1層と思われていた層も詳細に分析すると実際には2層に分かれていたことがわかります。


サンプルの層構造
卓上傾斜切削機を使い4度の切削角で傾斜切削を行い、各層の面積を14倍に広げました。 また、パーキンエルマー社のIRイメージング装置Spectrum SpotlightTM 400を使い、マルチエリアイメージング測定機能を有効的に使用することで、サンプルの8層以上の深さの層構造を簡単に分析することが可能です。


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