電力の広域監視システム(WAMS:Wide Area Monitoring System)としてPMU(フェーザ計測装置)の活用が非常に注目されています。
PMUはGPSによる時刻同期を用いて 系統の様々な場所において計測された電圧、電流、周波数、位相等の情報を毎秒30回から60回の周期で時刻データと共にネットワークに送ることができます。
広域電力系統内に多数配置することで 系統の安定性をリアルタイムにシミュレーションでき、障害が発生する前に対応をすることが可能です。
米国およびカナダには1700台以上のPMUが展開されており以下の目的で使われています。
- 状況認識と広域監視
- タイム操作と状態推定
- 電力システムの計画とモデル検証
- 外乱と停電の事後分析
サイバーシステムとしてのePHESERSIM やHYPERSIMとフィジカルシステムとしての実PMUを組み合わせることで従来不可能とされていた広域(日本全国)にわたる広域電力リアルタイム監視システムが可能になります。
ここではOPLA-RTの瞬時値リアルタイム解析ツールHYPERSIMとVizimax PMUを組み合わせた事例を紹介させていただきます。
この事例で使われるツール
PMU
- synchrophasorは、位相によって記述される量の時間同期測定
- PMUは、周波数や位相角などのパラメーターで電圧と電流を測定する
- 異なる場所のPMUによって行われた測定は、時間同期される
風力発電におけるPMU
風力発電所およびその他の独立系電力生産者(IPP)は、ネットワークグリッド要件を遵守する必要があります。
その為複雑で高価な静的VAR補償器(SVC)や機械的に切り替えられるコンデンサバンクとシャントリアクトルを設置することが求められます。
このような場面でPMUは以下のように使われます。
- PMUを使用して、PCCで電圧と電流を測定(120 fps)
- 産業用コントローラーはC37.118ストリームを受信し、PIDループを使用して計算、修正を行い、決定を下す
- コントローラーは風力発電制御装置に設定値を送信
- コントローラーは、コンデンサーバンクとシャントリアクトルを制御し、要件を満たす
HYPERSIMとPMU
ここではPMUがIEEE C37.118.1(電力系統の同期フェーザ測定標準 ― 同期されたフェーザと変電所での測定頻度と電力系統の分析と運用における静的および動的状況での測定の検証に関する手法と要件を定義)の規格認証の為にHILが有効が有効に使われている事例が紹介されています。
パフォーマンステストは Pクラスと Mクラスがあり、以下のような特性があります。
-
P-class: 保護機能
-
M-class: 測定機能
実際のセットアップは下記のようになります。
実機を使用した認証テストとサイバー空間で行った認証テストの結果は下記の通りです。
- 青:OPAL-RTのシステムで行った結果
- 橙:実機を使って行った結果
いずれも非常に似通った結果になっています。
ステップ変更テスト
動的変調テスト
さらに詳しく記載したプレゼン資料を下記からダウンロードいただけます。

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